第130回 定例活動報告
「東の森(1月20日 第3日曜日)」

全体報告<大日向>

DSC_4972.JPG2013年 山開きは暦のうえでは大寒です。先だってのゲリラ降雪の後遺症が心配されましたが当ぼんぼりは雪と云うよりは雨だったそうで、南向きの斜面は冬日を浴びてポカポカ陽気でした。

フランス人の初参加者を加えて23名が参加しました。
まずはいつの間にか神とされた美形の杉に赤い鳥居とお神酒そして道具が祭られ、T即席神主の祝詞で山の神への安全祈願が厳かに挙行されて仕事始めとなりました。

主な作業は、5年前に間伐した演習林上部の再間伐、雑山での高木伐採と処理、手入れが行き届いていない柚子畑での整備、竹林整備、テラス再構築の為の間伐材搬出、炭焼、柚子剪定枝の焼却、味噌汁・コーヒー作り等23名がそれぞれ手際よく散らばり冬日を楽しみました。
また初参加のフランス人も通訳・技術指導付きで2本を間伐しご満悦でした。

雑山で高木が一本倒れていた、演習林での間伐では木が5年前より更に伸びて目測が難しかった、テラスへの間伐材の太さは当初の材よりは太くなっている、さらには柚子の剪定枝が隣地より運びこまれる等山は我々が気がつかないところで動いていると痛感しました。
いつも歩きなれた山道を話に夢中になってしまい、ついハイキングコースに入り込み迷子になってしまったと笑える事故?以外に今年の初日はつつがなく終わった。

新年会を兼ねたアフター5も盛り上がり、会の運営をどうしようか?この山の将来は?等の話はこれっぽちも出ず、まあこれでいいのだろうな。



初参加感想<青木>

航空写真で作業エリアの紹介をします。ヤフー地図で『あきる野市戸倉1625』と入力検索。画面右上『地図の種類』のアイコンで『写真+注記』を選択すると航空写真が出ます。
1625の数字が読み取れるまでズームアップすると20軒程の集落が見え画面上『真北』に向かって野菜畑、ゆず畑と緩斜面が続きそこから送電線の鉄塔がある峰まで急斜面の人工林で杉、桧が黒々と生い茂っています。西(画面左)に200m東に200m程のエリアがぼんぼり山の会の活動範囲で、東端の赤茶けた一帯が広葉樹を主体とした『ははその森』。竹林は中央やや西(左)よりの所で山裾から峰付近まで幅約50mでの範囲にあります。

昔、人工林・竹林共に管理されていた当時は竹林は山裾付近にこじんまりとあったと思われます。それが無管理状態になって竹が密生し竹の子が生える余地がなくなると、子孫繁栄の摂理に従って竹は外へ向かって勢力を伸ばし始め、人工林を縫いながら峰付近まで侵食してきました。

DSC_4999.JPG竹林作業の目的は密生した竹の間伐により適度な空間(番傘をさして歩ける程度)を作り竹の子が生える環境を整えること。それとこれ以上の外への侵食を防ぐため境界部分でのローラー作戦です。過去6年間の実績でその環境は整えつつありますが、竹の寿命は5~6年と早く環境を維持するためには今後とも間断ない管理が必要とされるでしょう。そして長く持続させるためには再生可能な循環型資源として活用することも必要でしょう。間伐した竹を積み上げて置くだけではもったいないし、大分スペースをとっているような気がしました。
竹炭や竹材としての活用も検討しなければならないと感じました。


活動報告<神津>

雑山・柚子畑から作業報告

新年最初の山仕事。さぞかし雪があるかと思いきや、友人のYと待ち合わせの八王子から五日市に向かうに従いだんだん雪が減って、ぼんぼり南面では遂にほぼゼロ!穏やかな日差しに包まれながら、テラスから見渡す山々に今年もよろしく、と胸の内で挨拶したことでした。山の神にも無事な作業と仲間の健康・安全を祈念しました。

DSC_5004.JPGさてO会長、機械化部隊長のYさん、森林インストラクターのKさんの最強メンバーに率いられ雑山に向かいます。竹林を過ぎてお気に入りの広葉樹の緩やかな斜面に入りました。檜や杉の美しい森は言うまでも無く立派で素敵ですが、正直、落葉樹で覆われた雑木の森のほうが気が休まります。中でも水楢や橡の若葉の森に陽が射し込む様は絵のようで、自分が自然の一部に同化してゆくようです。

DSC_5001.JPGが、今日はその水楢を伐らなくてはなりません。Kさんがテープで伐採樹の特定を開始。斜面上部中央に3本固まり大きく育ち、日光をいっぱいに浴びた姿の良い直径30cmほどの中から特に斜めに伸びた1本。正面右手の斜面からも選んで1本。他に前回伐ったままの水楢を玉切りに処理しました。水楢は周囲の樹を巻き込みながらうなりを立てて谷に倒れこみます。直後の静寂は鎮魂の一時です。今回は時間が足りなく次回に持ち越しですが、左手に今にも倒れこみそうに根を浮かし気味の水楢が数本目立ちます。岩場で表土が薄く放っておくと根こそぎ崩壊に行き着くかと思われ、森林保護のためには止むを得ません。昨年末訪れた西丹沢の尾根筋には直径3mほどの痩せた根回りを空に向け剥き出しにしたまま倒れ、枯死した水楢たちの無残な残骸が目立ちました。他にYと10cm未満の樫を5~6本処理しました。Kさんにどの程度広葉樹を除伐してよいか尋ねると、塊の中から1本を残し後はカットとのことで、伐るたびに迷いが生じますが、今回は納得しながら作業を進めました。相棒から声がかかると、倒れこむ木との距離・方向を測りながら身を避けるのですが、今回も1回身体を掠めて木が落ちてゆきヒヤリ、反省です。舐めてはいかんぜよ!

この日は午前中遂に珈琲の出前部隊が現れず? 何と経済学(税金の話!)に話の花が咲いて、気づかず尾根を越えて桧原街道に辿り着いたそうで!!山に学問は不要かな。昼休みは大笑いでした。

午後はTさんの柚子畑の雑木を同じメンバーで処理しました。桑、桐の木など5~6本伐ったでしょうか。ここ数日の寒さが嘘のような心地よさで作業が捗りました。柚子畑はすっきりとして、果てまで見通せます。今年の実りが楽しみです。2時半早めにあがりました。 


活動報告<西山>

DSC_5016.JPG演習林上部の間伐
T氏を班長に、ベテランのK氏他3名、小型チェンソー2台・手鋸3丁で、テープでマークしてある檜を中心に、約30本(作業者申告)で間伐する事が出来ました。これ等の間伐材は、多くが直径20㎝超級で、テラス(基地)の補修に活用されるでしょう。
其れには次回以降の玉切り・運搬の作業が残っていますが…

4か月近くの、ブランクが有りましたが、HPの活動報告・会員間のメールのやり取りを通じて、ぼんぼり山の現状(作業状況)を、可なり推測することは出来ていました。とても有難い事です。
然し体は、なまっていました。(当然のことです)

ベテランのK氏と共に、目的の樹の在る所にたどり着く頃には、小型とは言えチェンソーを持ち、道具一式を背負ったT班長が後から基地を、出発したはずなのに、我々よりも上の方で、チェンソーの音を響かせていました。さらに、呼吸を整え足場を定めて伐採作業を開始するころには、Fさんが初参加の小公子?(風貌は貴公子)を従え、軽やかに尾根に近い方まで登り作業を開始しました。
今まで経験していた立ち枯れ寸前の杉や、雑木と明らかに異なる檜の堅さに手こずりながらも、やっと1本伐採し、近くで作業しているK氏を見ると、多少手を焼いている様子。 

この辺で一休み、そろそろマスターが表れるはずなのだが…
基地周辺で作業している人影はチラホラするのだが、コーヒーの気配(香り)は皆無、カフェイン切れに加えて、何時もの大福による当分補給ができなかったので、後はヘロヘロ、2本目に取り掛かったまでは良かったのですが、K氏にかなり助けてもらって伐採。昼食にやっと間に合いました。昼食の時、カフェインを充分補給できたので(無論大福もです)午後にも2本伐採出来ました。…作業報告の4本を3.5本に訂正いたします。

作業をコナス事がヤットコで、真面目な報告が出来なかったので蛇足を少々。
終礼開始の時は、正面に位置し、受け持ちの作業報告が完了すると、他の班が報告している間に、立ち位置をさりげなく変え、HP報告分担の頃には会長の視線を自然にかわす…
これこそ間伐・伐倒の手順に相通ずるものが在ります。すなわち、受け口を切り進むときは、体の中心に向かって真っすぐに鋸を引き、追い口を切る時は立ち位置を換え、伐倒方向を避けて切り進む。
今回、HP分担は当方に倒れてきました…


活動報告<辻田>

森を歩いて・・・
本当にこんなに方向音痴だったかな~。
冬山で雪や霧に取り巻かれたらこんなんだろうな~、と反省を踏まえて自問しきりです。

勝手知ったぼんぼり山でまさかの一時遭難が発生!!
70才過ぎて40才の女性と結婚して子供が生まれた…なんて話をしたと思ったら、企業経営の要の中小企業での銀行借り入れの苦労話に花が咲いて…
頂から反対の十里木に降りてしまうとはいったい何がそうさせたのか。
降りる道がやたら立派な階段続きに本当はおかしいと気が付くべきなのに、話に花が咲き勝手知ったぼんぼり山だと甘く、大変甘く考えたらしい(?)。

DSC_0178 a.jpg川のせせらぎの音にももうすぐテラスだ、やたら立派なバス道が見えても中の森まで来てしまったくらいしか考えてなかったこのいい加減さに恥ずかしい。本当にバス道に降りてもここが十里木とはしばらく気づかず自治会長さん宅は多分左の方じゃないかなんて囁いたのもほんと!
本当に恥ずかしい限り。さらに携帯でOさんに迎えに来てくれないかとま~~ずうずうしい。もちろん体よく断られたけど。

少し落ち着いて周りをよ~く見ると「瀬音の湯」とか「本陣まで2Km」とかの看板があるじゃないか。すわ…これはとんでもないとこに出ちゃったとしっかり気が付いた。そしてコーヒー満杯のポットと紙コップを持ってることの可笑しさ。こりゃ…もう"下方"漫才だよ。これは!

DSC_5042.JPG撮らないでぇ~! 皆は食後のひととき…二人並んで(笑)でもね。我々の基地テラスから頂超えの十里木まで約30分くらいで行けることが分かったのは収穫、収穫。それとぼんぼり山を甘く見てはいけないことにも気が付いた。
昼過ぎ一時ころにやっと帰り着いたときの仲間の暖かいまなざしには嬉しかったね。ありがとう。それと暖かい粕汁も。


活動報告<尾島>

煙突が煙を吸ってくれる

煙道の改良の話が持ち上がってから何とか形もできて、よ~~やく、炭を焼く段にたどり着きました。それまで、煙は窯に直結した煙突から一旦空間に出し、竹煙突の腹に開けた穴で受け取って4メートル程先から出していました。一旦空間に出すのは煙の様子で炭の焼け具合を判断するためです。これを窯から竹煙突の先まで一つながりにしよういう案がTkさんから出て来たのです。キーワードは『煙突が煙を吸ってくれる』です。窯の温度が高くなり圧力が上がると煙突の先端との圧力差が大きくなって自ずと煙が先端に向かって流れると言う事です。燃焼が専門というKnちゃんも更に、煙突は長い方が良いと後を押します。それには途中で煙が漏れるような所がない方が良いのです。これによって始終団扇でバタバタと扇ぐ事も解消でき、時間も短縮できるだろうとの事です。この話が出たのは前回の炭焼きの時でまだ夏前でした。

炭材は気付いた人が気付いた時に下ろしていました。ひびが入って煙が漏れていた竹煙突を換えるために誰か(ありがとう!)が太く長い竹を伐り出したのはまだ夏だったような…。9月2回目にTkさんが窯からの煙突と竹煙突をつなぐジョイント部分を、ペール缶と90度に曲げた煙突を2個つなげて手作りして持って来ました。ペール缶の底に穴を開けて窯からの煙突に被せ、蓋側にも穴を開け2個の煙突をつなげてその先を竹煙突に差し込むのです。重要な煙を見る場所はペール缶の蓋部分に元からある径3.5センチ程の小さな蓋付き穴です。10月2回目、漸く竹煙突の取り換えになりました。しかし、重く長い竹を立ち木の多い場所で振り回すのは難しく、倒してしまったのです。と、折角長く伐って来た竹の先の方が割れてしまい、仕方なく1メートル半程は切り捨て、割れても何とか使えそうな所は針金で固定して残しました。それでも6メートル位はありそうです。太さは驚異的で竹煙突の根元に12センチのジョイント部の煙突を指し込めたのです。これで年内に焼き上がる算段だったのですが、そうもいかず12月1回目にKyさんのチェーンソーの助けで炭材を切り窯に詰めました。そして、12月2回目は不参加だったので薪作りと竹煙突に木酢液採りの穴あけをお願いして、年を越したのです。

DSC_4995.JPG今回は何回目?5回目位までは数えていたのに… 既に緊張感が薄れていたのでしょう。回数を重ねた事もですが、2回に分けても焼けると分かった事が一番の理由だと思います。おまけに、初参加の青年を連れて来ていたし、天気も良く基地に着いてからもおしゃべりをしたりして着火は遅れました。

10:15
着火。さて、新システムは如何に?焚く口の火が順調の燃え始めると、あれ?手作りジョイント部分のあちこちから煙がもくもく… 竹煙突の先端からは微かな煙がほわんほわん… ジョイント部に張り付いていたTkさんも「こんなはずでは…」といじり始めます。私は「竹煙突の節が取りきれてなくて、煙をブロックしているのかも…」と言いながらも火力を強めるために扇ぎ続けます。薪追加1回。

10:50
竹煙突先からの煙が増え、ジョイント部からの煙はほぼなくなりました。窯内の温度が上がり『煙突が煙を吸ってくれる』が始まったようです。焚き口を扇げば煙突からの煙に勢いが出て力が伝わっている事は分かります。徐々に先端から出る煙の勢いも出て来て扇ぐ事も少なくて済むようになって来ました。木酢液を取り始めました。薪追加1回。

11:30
ペール缶の小蓋を開け手をかざすと熱くなっていたので、焚き口を4センチに絞りました。しかし、Tkさんは「もう、絞ってる…」と言うし、師匠のKさんは小蓋を開け手をかざすと「全然熱くないよ」と。あらら、確かに熱かったのだけれど我慢の限界が低いんだと思い、再度全開にして薪を追加しました。

11:50
焚き口を4センチに絞る。熾がたくさんたまり、更に奥が高く手前が低いのでそのまま薪を追加しても滑り落ちて来るので、熾をある程度掻き出し平らにしてから薪を追加する事にしました。

2時まで
薪追加3回。扇ぐのは薪を追加した時だけにしました。途中、木酢液が調理している場所にぽたりぽたり落ちているとEさん。竹煙突の割れた部分を残した事が仇になり、そこから漏れていたのです。夫々ああしたら、こうしたらと言うも決め手はなし。そこにTkさんが樋状に切り節を取った長い竹を持って現れ、竹煙突の下に固定して解決!

2:30
焚き口を閉め、前にブロックを置いて土を落とし込み、ジョイント部を外して煙突に缶を被せて密封しました。ドラム缶蓋の隙間から煙が少々漏れて来ましたが、出口を失った煙が出て来ただけのようで暫くして収まりました。木酢液は500mlペットボトルに5本採れました。

新システムで初めての火入れ、できるだけ温度を上げようとまめに薪の追加をしました。薪の所為か新システムの所為か、燃えるのが早かったように感じました。最初のジョイント部からの煙には些か心配させられましたが、終わってみればそれは当然の事でした。そのジョイント部ペール缶の蓋と90度煙突の接続部は耐熱テープで固定してあったのですが、何回も取り外ししているうちに外れてしまいました。Tkさんがどうにか考えると言っていましたが、終了間際に一人で窯を睨んでいたのは既に頭が動き出したからでしょう。


初参加感想<Cédric Audras>

DSC_4983.JPG私は東京ですんでいます。
東京がすきですけどときどきやまにいきたい。
山はきれいでした。
とってもいいかんじ。
またいきます。 セドリック オドラ

DSC_4979.JPGDSC_4993.JPGDSC_5050.JPG
DSC_4998.JPGぼんぼり窯製木酢液DSC_5056.JPG間伐材の利用→DSC_5052.JPGテラスの補修材として
DSC_5019.JPGDSC_5034.JPGDSC_5010.JPG

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